ダイヤモンドバックスのパトリック・コービンが、ナ・リーグの週間MVPを獲得しました。

先週は2試合に先発し2勝0敗、15イニングを投げて2失点15奪三振。ジャイアンツ戦で8回2死までノーヒットの1安打完封という好投がありました。

今季通算では5試合で4勝0敗、防御率1.89、WHIP0.66、33回1/3で48奪三振です。奪三振率が昨年は8.4、通算では8.1ですが、今年は13.0へと激増しています。

この進化の原因が、コービンが今季2試合目の登板を終えた後の4月5日に、Fangraphsの「Patrick Corbin Is McCullersing」で分析されていました。

記事によると、コービンは最も得意なスライダーの割合を大きく増やしています。記事のタイトルにもアストロズのランス・マッカラーズJr.の名前が使われていますが、マッカラーズがカーブを多投するように得意な変化球をどんどん投げるのが一つの流れで、コービンもこれに乗った形です。

Pitch Valuesという球種ごとの評価では、2012年から2017年の先発投手の中でコービンの速球は下位9%、チェンジアップは下位1%、スライダーは上位21%に位置していたということです。つまり、スライダーは使える球種である一方で、速球やチェンジアップはかなり価値が低い球種だったといえます。

Brooks Baseballから、コービンの球種ごとの投球割合の変化を表すグラフを見てください。黒が速球、青がスライダー、黄がチェンジアップです。

Brooksbaseball-Chart

今年はスライダーの投球割合が50%を超えて速球を上回り、チェンジアップはほとんど投げなくなっています。昨年から速球を減らしスライダーを増やす傾向が見られますが、それをさらに推し進めた形です。

昨年100イニング以上投げた先発投手の中でスライダーの投球割合が最も高かったのがクリス・アーチャーの44%なので、今年のコービンがいかにスライダーを多投しているかが分かります。ちなみにマッカラーズのカーブの割合は47%でした。

今季ここまでの48個の三振のうち37個はスライダーで奪ったものです。現地22日のパドレス戦でも、奪った三振11個中10個がスライダーでした。



さらに、コービンは得意なスライダーを単純に増やすだけでなく、球速に差をつけて投げているということです。Brooks Baseballからのグラフを見てください。

horzspeed

現地4日のドジャース戦のデータで、横軸が水平方向のボールの動き、縦軸が球速です。真ん中の下に2つの色の点が集まっており、球速の早いものはスライダー、遅いものはカーブと分類されていますが、実際のところは球速に差をつけた2種類のスライダーだということです。

同じ球種を多く投げれば打者にそれを待たれる恐れがありますが、球速を変えることで対応していると分析されています。同じスライダーでも速球とチェンジアップのようなバリエーションがあると表現されています。

記事で紹介されている2試合目を終えた時点のデータでは、スライダーの平均球速が0ストライクでは77.9マイル、1ストライクでは80.1マイル、2ストライクでは82.3マイルとなっており、速いカウントでは遅いスライダーを、追い込んでからは早いスライダーを使っています。

今週のジャイアンツ戦では、ポージーやペンスに対し0ストライクから66マイル、69マイルのボールを投げていました。



ここまで来ると80マイルを超えるスライダーと同じ球種とは言いにくい気もしますが、結局のところ球種の分類は重要ではありません。ブレーキングボールというくくりではスライダーもカーブも同じです。

重要なのは、コービンは三振を取るためのスライダーからカウントを稼ぐためのカーブのようなスライダーまで自由自在に球速を変えて投げることができる感覚を持っているということでしょう。

今年のコービンは、得意なスライダーを多投するだけでなく、球速も変えることで投球に幅を持たせていることが好結果につながっているという分析でした。