カブスへの加入によってダルビッシュ有はこれまで活かされていなかった潜在能力を開花させるかもしれないと、MLB公式サイトの記事がスタットキャストのデータを用いて分析しています。

そのカギとなるのが、高めのフォーシーム。

カブスのジム・ヒッキー投手コーチは、レイズの投手コーチ時代に高めの速球を基本の武器として使うよう投手陣に教えていました。実際に、ジェイク・オドリッジやドリュー・スマイリーなどは、ヒッキー投手コーチの下で高めの速球を多用するようになったということです。

昨年のダルビッシュのフォーシームは、スピンレートが2502rpmで、500球以上フォーシームを投げた先発投手128人中3位でした。ダルビッシュより上にいるのは、2552rpmのジャスティン・バーランダーと2504rpmのマックス・シャーザーで、メジャー平均は2255rpmでした。

1.ジャスティン・バーランダー:2552rpm
2.マックス・シャーザー(ナショナルズ)2504rpm
3.ダルビッシュ:2502rpm
4.ソニー・グレイ(ヤンキース):2484rpm
5.タイラー・チャットウッド(カブス):2482rpm
5.ジェフ・サマージャ(ジャイアンツ):2482rpm

回転数の多いフォーシームは浮き上がるような軌道になるため、高めに投げると特に有効なボールになります。しかし、ダルビッシュは高めのフォーシームを使う割合が少なかったということです。

記事から引用した図を見ると、バーランダーやシャーザーと違い、ダルビッシュはフォーシームが真ん中から低めに集まっていることが分かります。

cut

ダルビッシュのフォーシームの平均の高さは、500球以上投げた128人の先発投手中14番目に低かったということです。一方、バーランダーやシャーザーは上位25番以内に入っていました。

ダルビッシュは、フォーシームをストライクゾーンの上3分の1より上に投げたのが33.3%なのに対し、バーランダーは54.2%、シャーザーは54.0%でした。

クレイトン・カーショーはダルビッシュよりも高めに速球を投げる割合が少ないということですが、カーショーのフォーシームのスピンレートは2340rpmで、ダルビッシュなどとは質が違うボールです。

記事では次に、実際にダルビッシュのフォーシームは高めと低めのどちらがいい結果を生み出しているかを見ています。

ここで使われているのは、xwOBAというスタットキャストの指標です。xwOBAとは、打球の速度・角度と三振・四球の数を基にコンタクトの質・量から投手の能力を測るものです。

ダルビッシュは高めのフォーシームでxwOBA.238を記録する一方で、低めでは.354でした。高めの方が圧倒的にいい結果を生み出しているということになります。ちなみに、リーグ平均は高めで.305、低めで.379となっています。

また、空振り率を見ると、ストライクゾーンの上3分の1より上のフォーシームの空振り率が、100スイング以上記録した128人の先発投手の中で1位だったということです。

1.ダルビッシュ:42.2%
2.ジェイコブ・デグロム(メッツ): 40.1%
3.リッチ・ヒル(ドジャース):38.0%
4.ダニー・サラザー(インディアンス):37.0%
5.ロビー・レイ(ダイヤモンドバックス):35.7%

ここまでのいろいろなデータを見ると、ダルビッシュの高めのフォーシームは大きな武器であるはずなので、それを使う割合が少ないのはもったいないと感じます。

ヒッキー投手コーチから高めのフォーシームをもっと使おうという話をされているのかは分かりませんが、今季のダルビッシュを見る上で一つの注目ポイントと言えそうです。