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カブスからFAのジェイク・アリエッタが、フィリーズと3年7500万ドルの契約に合意しました。

特殊な形の契約になっていて、保証されるのが3年7500万ドル、最大で5年1億3500万ドルになります。

まず、2018年が3000万ドル、2019年が2500万ドル、2020年が2000万ドルとだんだん年俸が下がっていきます。そして、2年目の2019年終了後にアリエッタがオプトアウト(契約破棄)してFAになれる条項がついています。

ただし、フィリーズは4年目と5年目の契約を保証することで、アリエッタのオプトアウト条項を無効にすることができます。年俸はそれぞれ2000万ドルですが、アリエッタの2018年と2019年の先発試合数に応じて最大2500万ドルに、サイ・ヤング賞投票の順位に応じて最大3000万ドルに上昇する可能性があります。

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(追記)
先発試合数が25試合に到達すると上がり始め、31試合で最大の2500万ドルに。サイ・ヤング賞投票で1位から3位に入ればさらに500万ドル、4位か5位なら300万ドル上昇するとのことです。
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つまりこんな感じです。

2018年:3000万ドル
2019年:2500万ドル
(アリエッタはオプトアウト、フィリーズは契約延長の判断)
2020年:2000万ドル
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2021年:2000万ドル(最大3000万ドル)
2022年:2000万ドル(最大3000万ドル)

2年目終了後にそれぞれがどう判断するかは、当然アリエッタの最初の2年の成績次第です。

好成績を残していればアリエッタはオプトアウトしようとするでしょう。逆にフィリーズが契約延長で引き止めるかは難しいところ。

サイ・ヤング賞投票の分はとりあえず置いておいて、先発試合数によって2021年、2022年が2500万ドルになると仮定します。すると、2021年には35歳になるアリエッタに対して2年5000万ドルの契約延長を行うことになるわけですが、現時点でも2500万ドルの価値があるかは微妙だと思うので、フィリーズは無理にオプトアウト条項を無効にするための契約延長は行わないのではないでしょうか。

逆に、最初の2年に成績が低下したり、故障で離脱したりすれば、2000万ドルでもフィリーズは契約延長を行わないはずです。

したがって、最大で5年になる今回の契約ですが、2年あるいは3年で終了する可能性が高いと思います。

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アリエッタは昨年30試合に登板し、防御率3.53、8.7K/9、2.9BB/9、1.2HR/9という成績でした。サイ・ヤング賞を獲得した2015年から2年連続で成績が低下しています。

速球の平均球速は、2015年94.6マイルから、2016年93.7マイル、2017年92.1マイルに。持ち味であるゴロ率も、2015年56.2%から、2016年52.6%、2017年45.1%に低下しています。

このあたりが、ダルビッシュを超える契約を望んでいたとされるアリエッタが、希望通りのオファーをもらえなかった原因です。

アリエッタはカブスからのクオリファイング・オファーを拒否しています。

フィリーズはクオリファイング・オファーを拒否したカルロス・サンタナとの契約により、すでに上から2番目のドラフト指名権とインターナショナル・ボーナス・プール50万ドルを失っています。したがって、アリエッタとの契約では、上から3番目のドラフト指名権とインターナショナル・ボーナス・プールからさらに50万ドルを失います。

カブスには、補償として3巡目の前の指名権が与えられます。

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これでフィリーズのローテーションは、アーロン・ノラ、アリエッタ、ジェラッド・アイコフ、ビンス・ベラスケス、ニック・ピベッタの5人となるはずです。

アリエッタとの契約で問題になってくるのは、その他のローテーション候補の若手投手たちがメジャーで先発する機会を奪われてしまうことです。

40人枠にはメジャーでの先発のチャンスをうかがっている投手たちがたくさんいます。ベン・ライブリー、マーク・ライター、ザック・エフリン、ジェイク・トンプソンなどです。

ですので、今年はこれらの投手をメジャーで起用して、来季以降に先発として使えるかどうかを見極める年にすればいいと思っていました。

また、これまでに挙げた投手はすべて右投手です。やはり左投手もいたほうがバランスがいいと思うので、次のオフにダラス・カイケルあたりを狙えばいいんじゃないかと考えていました。

ただし、去年はアイコフが故障で離脱しましたし、ベラスケスはそもそも先発として1年間投げられる耐久性があるのか疑問なので、自然と他の投手を試す枠は空いてくるかもしれません。

フィリーズは一塁のカルロス・サンタナ、リリーフのトミー・ハンター、パット・ニーシェックもFAで補強しており、うまくいけばワイルドカード争いはできるチームができあがったという感じでしょうか。

カブスやアストロズは、再建期からプロスペクトがメジャーに昇格し始めるとあっという間にワールドチャンピオンに駆け上がったので、フィリーズもそれに続けるかどうかは楽しみです。

とにかく、まずはアリエッタが成績低下の傾向に歯止めをかけることができるかが最大の注目ポイントでしょう。

Photo: Arturo Pardavila III