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イチローがマリナーズに復帰すると日米のメディアが報じています。1年のメジャー契約で、身体検査待ち。金額は現時点で明らかになっていません。

ここにきてマリナーズがイチローと契約を結ぶのは、外野手に故障者が続出しているためです。

レフトのレギュラーであるベン・ギャメルが脇腹を痛めて4~6週の離脱。復帰は早くても4月の中旬です。

ライトのレギュラーであるミッチ・ハニガーは右手を痛めていてまだオープン戦には出場していません。すでにスイングは行っていて試合の出場も近いと見られおり、こちらは開幕には間に合いそうです。

4番手のギレルモ・ヘレディアはオフに右肩の手術を受けました。オープン戦にはDHで出場していますが、守備に就くのはまだ1週間から10日ほどかかる見通しです。

一時的な穴埋めになりそうなマイナー契約のカーク・ニューエンハイスも、ハムストリングを痛めているようです。

他に40人枠に入っている外野手はキャメロン・パーキンスで、経験が浅く計算が立ちません。

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そこで、白羽の矢を立てたのがイチロー。2012年以来のマリナーズ復帰となります。

しかし、FAで残っている外野手には、ベテランのカルロス・ゴンザレス、ホセ・バティスタ、メルキー・カブレラ、ジェイソン・ワース、マット・ホリデー、去年も悪くない成績を残したジョン・ジェイ、セス・スミスなどがいます。

なぜイチローだったのでしょう?他の選手にオファーを出して断られていた可能性もあるのでなんとも言えませんが、イチローとの契約はやっかいな問題を引き起こす恐れがあります。

本来の外野手4人、ディー・ゴードン、ハニガー、ギャメル、ヘレディアがそろったときイチローをどう扱うのかという問題です。

ギャメルやヘレディアは現時点でも総合的に見てイチローより上の選手ですし、伸びしろが大きいタイプではないとはいえ、まだ成長の余地があります。イチローがいることにより出場機会が減ったりマイナーに降格させるのは理に適っていません。

一方で、イチローはマリナーズにとっては数字以上の特別な存在ですから、穴埋めご苦労さんといって簡単に切れる選手ではありません。実際に切ったとすれば反発するファンも多くいるはずです。ここにマリナーズはジレンマを抱えることになってしまいます。

ジェイなら普通に戦力になるでしょうし、他のベテラン選手ならイチローのようなしがらみはありません。

もしかしたらマリナーズは他の選択肢がイチローとの契約より明らかに優れているとは考えておらず、現役続行の意思を持っているにもかかわらずオファーがないイチローに対するリスペクトとしてメジャー契約を結んだのかもしれません。

しかし、それが今年もポストシーズンを目指しているはずのマリナーズが選ぶ選択肢として正しいのかは分かりません。

もし、オファーがなかったことでイチローがすでに現役引退の意思を固めていて、故障者が続出している古巣のマリナーズで1か月間プレーしてすっぱり引退するというプランがあるなら、うまくいくかもしれません。ただ50歳まで現役を続けたいというイチローですから、その可能性は低そうです。

またマリナーズのユニフォームを着てセーフコフィールドでプレーするイチローの姿は楽しみでもあります。しかし、イチローにとっても、マリナーズにとっても、ファンにとってもハッピーエンドになるシナリオは考えにくいというのが正直なところです。

同じく球団のレジェンドであるケン・グリフィーJr.がマリナーズに復帰したときは、居眠り騒動のあとに引退という偉大な選手にとって残念な結末となってしまいました。

奇跡的にイチローがレギュラーとしてチームを牽引し、イチローのルーキーイヤーである2001年以来のポストシーズン進出などという夢のような話は期待しません。

ただただ問題が起こらずうまくいくことを祈るばかりです。

Photo: Matt McGee