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アスレチックスでプレーしたジャロッド・パーカーが正式に現役を引退するとサンフランシスコ・クロニクルが伝えています。

2012年、2013年と好成績を残しアスレチックスのローテーションの軸になると期待されましたが、度重なる肘の故障で再びメジャーのマウンドに戻ることはできませんでした。

パーカーは2007年にダイヤモンドバックスから全体9位指名を受けプロ入り。2011年にトレバー・ケイヒルのトレードでアスレチックスに移籍しました。

2012年には29試合に先発し、13勝8敗、防御率3.47の成績を残し、新人王投票でも5位に。2013年も、32試合で12勝8敗、防御率3.97と好成績を残しました。

しかし、2014年3月に2度目のトミー・ジョン手術を受けることになります(1度目はダイヤモンドバックスのマイナー時代の2009年)。

2015年に入り復帰に向けてリハビリ登板を行っていたパーカーでしたが、5月8日の3Aでの試合で投球と同時に右肘を骨折するという悲劇が起こってしまいます。

最初に映像を見たときはかなり衝撃的で、ぞっとするような光景でした。動画はリンク先で。

http://www.milb.com/r/video?content_id=107767183&topic_id=&sid=milb&tcid=vpp_copy_107767183&v=3

記事では、2度目のトミー・ジョン手術では通常より少なくとも6か月以上長いリハビリ期間を設けることを専門家は推奨していることから、13か月で実戦に復帰していたパーカーは先を急ぎ過ぎていたのかもしれないとしています。

パーカーはなおも復帰をあきらめず再度リハビリに取り組みましたが、2016年3月11日に同じ箇所を再び骨折してしまい、また手術を受けることになりました。

このときの手術は、主に不自由なく日常生活を送るためのものでした。トミー・ジョン手術では内側上顆という部分に移植した靭帯が取り付けられますが、その部分が完全に破壊されていたということです。医者によると野球を続けるのはほぼ不可能だということで、この時点でパーカーのカムバックへの挑戦は終了することになりました。

現在29歳のパーカーは昨年10月に結婚し、今は長いリハビリの経験を活かして医療業界で働くことを望んでいるということです。リハビリ・コーディネーターになることやプロのアスリートのためのトレーニング施設を開くことを考えているようです。

「自分の知識や情報を伝えていきたい。精神的な戦いについては知っている。そしてトンネルの終わりには光があることもね」

メジャーでも長く活躍できたはずの選手が、故障によって若くしてキャリアを終えるのはつらいですね。自身の経験を活かして他のアスリートの助けになりたいというパーカーの第二のキャリアを応援したいと思います。

Photo: Keith Allison