マリナーズ傘下のマイナー選手エリック・フィリアが、禁止薬物の陽性反応で50試合の出場停止処分を受けました。


禁止薬物と書きましたが、今回のはステロイドなどのPED(Performance-Enhancing Drugs)ではなくdrug of abuseなので、たぶんマリファナですね。

フィリアはMLB.comの評価でマリナーズ内21位のプロスペクト。昨年はA+で128試合に出場し、.326/.407/.434、5本塁打、9盗塁、65四球、45三振の成績でした。

昨年のアリゾナ・フォール・リーグでは打率.408、出塁率.483、OPS1.088の3部門でリーグトップの成績を残し、MVPはロナルド・アクーニャに譲ったもののスポーツマンシップ賞を受賞しています。

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ご存じの方もいるかもしれませんが、マイナー選手はマリファナで出場停止処分を受けますが、40人ロースターに入っているメジャー選手は罰金だけで済み出場停止処分は受けません。

この差が生まれた理由は、世界最強の労働組合とも呼ばれるメジャーリーグ選手会の存在です。選手会がマリファナ使用に対する厳罰に反対してきたためメジャー選手には出場停止処分が課されないルールになっていますが、40人ロースターに入っていないマイナー選手は選手会には守られません。

また、アメリカではマリファナの合法化が進んでおり、フィリアが住むカリフォルニア州もマリナーズがあるワシントン州もすでに合法化されています。

このようにマリファナに関してはメジャーとマイナー、そして州によっても扱いに差があるいびつな状況となっています。それでもルールはルール。テストに引っかかった以上、50試合の出場停止を受けなければなりません。

スポーツマンシップ賞を受賞する一方でルールを破ってしまったフィリアですが、四球が三振を上回る選球眼・アプローチが良い打者は好みなので、処分を終えた後はもう一度メジャー昇格に向けて頑張ってほしいと思います。