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スポーツブログ集合サイト「SB Nation」内のマリナーズを扱うブログ「Lookout Landing」に、あるマリナーズファンが書いた大谷翔平への手紙が投稿されました(「DEAR OHTANI-SAN」)。

「親愛なるオオタニサンへ」という題名のこの手紙。書いたのはシアトルに住んでいる83歳のおじいさん。子供の頃はレッドソックスのファンで、テッド・ウィリアムズの最後のホームランを球場で見たという昔からの野球ファン。シアトルに移り住んでからはずっとマリナーズのファンだそうです。

「おそらく人生で最大であろう決断を下すときに、一人のファンの助言や願いを考慮してもらえればと思い、この手紙を送ります」という書き出しで始まる文章。まずは大谷に対する思いを記しています。

「私がこの手紙を書くのは、単にあなたが素晴らしい才能で自分のお気に入りのチームに欲しいからというだけではなく、あなたが選んだ人生の価値基準が他の若いスターたちと全く異なるからです。あなたはお金のために生きているわけではないと、すべての人に対して行動で示しました。そのことに対し敬意を表します。他の人はお金のことばかり考えている時代に、あなたはそれ以上のものがあると信じているのは明らかです。あなたは昔ながらの魂を持った青年です」

そして大谷がマリナーズに来てくれるようにアピールをしています。

「GMたちはあなたの質問書にうやうやしく回答しました。球団の幹部やマーケティングのプロたちによって巧妙に練り上げられた手の込んだプレゼンテーションに、あなたは飽き飽きしていることでしょう。私の理解が正しければ、あなたは彼らの回答だけをもとに決断を下すわけではないでしょう。

あなたはたくさんの人の声を聞いてきましたが、ファンの声はまだ聞いていませんし、ファンの声はあなたの決断に重要な役割を果たすはずです。

私たちについて少し話をさせてください。私たちの大部分は進歩的で前向きです。そしてあなたにとってなにより重要なことに、私たちは常に忠実です。良い時も悪い時も選手の味方です。私は、(他の都市と違って)スランプの時でもマリナーズの選手がブーイングされるのを見たことがありません。私たちは選手のありのままを受け入れます。拒否するのは自分のことしか考えない人だけです。この街やファンを見捨てたアレックス・ロドリゲスに偽物のドル札のシャワーを浴びせたときのように。

フィールド上のプレーだけではなく、彼らの人間性や彼らが表現するものも、私たちがマリナーズの選手を愛する理由です。イチローを尊敬するのは、そのスピードやバット捌きの巧みさだけではなく、ストイックさや卓越したプレーへのひたむきさが故です。

私たちはたくさんの方法で選手を祝福します。"King's Court"ではフェリックス・ヘルナンデスの三振に大きな声援を送ります。そして、球団ではなく私たちファンが主導して、ジェームス・パクストン(私たちは親しみを込めて彼を”Big Maple”と呼びます)を応援するエリアを作りました。あなたも自分を応援するファンのためのエリアを持つことができますよ」

そして最後に大谷へ切実なお願いです。

「アメリカでは、年を取った人たちは”バケットリスト”というものを作ります。死ぬまでにやっておきたいことのリストです。あなたのプレーを生で見ることが私のバケットリストの1番目です。しかしながら、リストの他のものと違って、実現するかどうかを私が決めることはできません。あなたの決断次第です。私は最近ではあまり外出することがありません。しかし、あなたがマリナーズのユニフォームを着ている姿を見るためなら特別な努力をします。そんな機会があれば喜ばしいことですし、とてもありがたく思います。私の手紙を読むために時間を割いてくださってありがとう。あなたがどんな決断を下したとしても、それが正しい理由によるものだと分かっているのは、少なくとも慰めにはなります。

Go takō o inorimasu(ご多幸を祈ります)

ラリー・パロス」

7球団にまで絞られた移籍候補に残っているマリナーズ。この83歳のマリナーズファンの思いは届くでしょうか。