ジャンカルロ・スタントンにわずか2ポイント届かず、ナ・リーグのMVP獲得はならなかったレッズのジョーイ・ボット。

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今季は162試合全試合に先発し、.320/.454/.578、36本塁打、100打点、106得点、134四球、83三振、wRC+165という素晴らしい打撃成績でした。出塁率、OPS、四球数、wRC+がリーグ1位。守備でも昨季はDRS(守備防御点)で-14を記録しましたが、今季は一塁手としてメジャートップの+11へと大幅に改善しました。

シーズン終了後にボット自身も「キャリアベストの年だった」と話しており、MVPは受賞できなかったものの満足のいく1年だったようです。

MVPが発表された直後のインタビューでボットは次のように話しています。

「これほど僅差だったことが信じられない。圧倒的な差がつくことが多いから、2ポイント差で負けるというのはある意味クールだね。楽しめる勝負だったんじゃないか。ジャンカルロと自分は違うタイプの選手だし、どちらも負けているチームにいるからとても興味深い投票だった。10人も1位票を投じてくれたのは今でも驚いている。とてもクールなことだ。3分の1の1位票を獲得できたのは本当に光栄だ。

それほどがっかりはしていない。なぜなら2人とも甲乙つけがたい非常に素晴らしいシーズンを過ごしたし、チームの勝敗は関係なく個人の成績が焦点だったからだ。もしどちらかが勝っているチームにいたら、満場一致に近かっただろう。(今回は)投票をした人たちが2人とも最高だと言ってくれたようなものだ。そのことに感謝している。

ジャンカルロはあの巨大な球場であれだけホームランを打っていたし、彼を応援していた。自分は毎日試合に出て、多くの面で非常に優れた成績を残せたと思う。2人とも故障せず最初から最後までいいプレーをしたし、ファンもそれを認めてくれたんじゃないか。がっかりしているかって?そうでもない。感謝の気持ちのほうが大きいというのが本音だ。

主観的な賞だから、今シーズンの成績に対する自分の評価が落ちることはない。個人として今年は成功だったと思うし、それを誇りに思っている。それは変わらない。満足するために記念の盾は必要ない。またMVPを受賞できればクールだったが、こんな負け方もとてもクールだった」


動画の話しぶりを見るとMVPを受賞できなかったことはやはり残念だったんじゃないかなと感じましたが、今季の自身の成績に対する自負を感じられる内容でした。

ボットは今シーズン終了直後のインタビューでもこう話しています。

「去年のオフシーズンに、来年はキャリアでベストの年にする、自分に欠けている多くの部分を強化する、と誓った。そしてそれをやり遂げた。今年を最高のものにしたかった。芸術作品にしたかった。三振を減らす、四球を維持する、毎日プレーし全力を尽くす、守備を改善する。こういったことを考えていた。今年は間違いなくキャリアベストの1年だったと思う」

ボットは今年34歳になりました。ボット自身も体の衰えは感じているようで、「年をとれば失うものがあるのは間違いない。以前ほどボールを強く遠くへ飛ばすことができない。以前ほど走れない。そして体の回復も難しくなる」と話しています。そんな中でキャリアハイの成績を残すのは並大抵のことではありません。

特に、長打力を向上しながら選球眼を大幅に向上させたことには驚かされます。通常の選手なら30代半ばにもなれば、四球が減り三振が増える傾向が出てきます。しかしボットは、昨季の108四球、120三振から、今季は134四球、83三振へと驚異的な改善を見せています。ここにボットの常人の域を超えた凄さを感じます。今季ボット以外で四球が三振を上回った選手は両リーグで4人しかいません。それもぎりぎり上回った程度でボットだけが飛びぬけています(参考)。

本人が言う通り、まさに芸術作品のような成績を残したボットでしたが、MVPもシルバースラッガー賞もゴールドグラブ賞も獲得することはできませんでした。

しかし、個人的には今年のMVPはボットです。来年もボットにしかできないプレー、ボットにしか残せない成績を期待したいと思います。