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全米野球記者協会の記者による投票で選出される各リーグのMVPが発表され、アメリカン・リーグはアストロズのホセ・アルトゥーベ、ナショナル・リーグはマーリンズのジャンカルロ・スタントンが受賞しました。どちらも初受賞です。

アルトゥーベは今季153試合に出場し、.346/.410/.547、24本塁打、32盗塁の成績。打率と安打数(204)でリーグトップでした。アストロズの選手では1994年のジェフ・バグウェル以来2人目です。

ワールドシリーズ制覇とMVP受賞を同じ年に達成したのは、2012年のバスター・ポージー(SF)、2016年のクリス・ブライアント(CHC)に続きワイルドカードが始まって以降で3人目。アメリカン・リーグでは1984年のウィリー・ヘルナンデス以来33年ぶりです。

アルトゥーベは30人中27人の1位票を獲得。2位のジャッジとは予想以上の大差がつきました。これはアストロズが101勝の好成績で地区優勝を果たしたこと、ジャッジは三振の多さや好不調の波という欠点があったことが理由と思われます。その他の上位選手の獲得票数は次の通りです。

FireShot Capture 1 - Astros second baseman Jose Altuv
引用元:BBWAA


ジャッジも「君ほどMVPにふさわしい人はいないよ!!」と祝福のコメントを投稿しています。


スタントンは今季159試合に出場し、.281/.376/.631、59本塁打、132打点の成績。本塁打、打点、長打率でリーグトップでした。マーリンズの選手として初めての受賞。

1位票は10票で、2位のジョーイ・ボットと同数。合計ポイントもスタントン302、ボット300と2ポイント差の大接戦でした。1979年にキース・ヘルナンデスとウィリー・スタージェルが同点でMVPを受賞して以降で最小の差。1940年代には1ポイント差の年が2度あったので、今年のナ・リーグは史上4番目の僅差ということになります。

他にもゴールドシュミット、アレナド、ブラックモンが複数の1位票を獲得するなど大混戦でした。上位選手の獲得票数は次の通りです。

FireShot Capture 002 - Marlins slugger Giancarlo S
引用元:BBWAA

かっこいい動画。

これまでは故障が多かったスタントンですが、今年はほぼフル出場できたのがまず一番大きな要因でしょう。そしてシーズン途中にクローズドスタンスに変えたことで、一気に本塁打数を伸ばしました。

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僅差で敗れたボットは「ジャンカルロはあの巨大な球場であれだけホームランを打っていたし、応援していた。自分は毎日試合に出て、多くの面で優れた成績を残せたと思う。2人とも故障せず最初から最後までいいプレーをしたし、ファンもそれを認めてくれたんじゃないか。がっかりしているかって?そうでもない。本当に感謝の気持ちのほうが大きい」とスタントンの活躍を称えつつ、結果に納得している様子。MVP受賞はなりませんでしたが、シーズン通していいプレーをできたことに満足する気持ちのほうが大きいのでしょう。


ちなみに、これまでMVPを獲得した選手の中で、アルトゥーベの身長5フィート6インチ(168cm)は史上最低タイ、スタントンの身長6フィート6インチ(198cm)は史上最高でした。


今年はアストロズがワールドチャンピオンに輝き、MVPも受賞したということでアルトゥーベの年だったと言っていいでしょう。スタントンは来年こそ60本の大台、そしてロジャー・マリスの61本を超える本塁打数を期待したいと思います。