ワールドシリーズ第7戦で期待通りの結果を残せなかったダルビッシュ有は、試合後の会見で「この3年ぐらいは野球への情熱が落ちてしまっていた。今はワールドシリーズに出て活躍したいというのが目標になった」と発言しました。

これは今季途中まで在籍したレンジャーズのファンにとっては聞きたくない言葉だったでしょう。

ダラス・モーニング・ニュースでレンジャーズを担当するエバン・グラント氏が昨日、ダルビッシュとメールのやり取りをし、その中でダルビッシュは”情熱”は失っていなかったと釈明。発言の真意を説明しました。

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グラント氏によると、ダルビッシュはクラブハウス内外からの期待に応えようとするあまり、自分にプレッシャーを掛け過ぎてしまっていたということです。その結果、野球の楽しさが奪われてしまったようです。ドジャースへのトレードの後、応えなければいけないのは他人ではなく自分の期待だということに気付くのが簡単になった、とグラント氏は述べています。

通訳を介したやり取りの中でダルビッシュは、「レンジャーズにいたとき、自分はいつも懸命にプレーし努力していた。しかし、クラブハウスの内外から聞こえる批判を耳にし、それに注意を払い過ぎていた。チームメイトとの関係がうまくいっていないときもあった。そうして野球を同じように楽しめない状態になってしまった」と話しています。

さらに「でもトレードされて違う視点から当時の状況を見たとき、レンジャーズの球団やファンがどれだけ自分のことを気に掛けてくれていたかが分かった。そうやって徐々にもう一度野球を楽しめるようになっていったんだ」と気持ちの変化を説明しました。

ポスティング費用5170万ドル、6年契約総額5600万ドルという巨額を投じてレンジャーズが獲得したダルビッシュには、球団やファンからのプレッシャーも大きかったでしょう。

期待に応えようとするあまり、野球を楽しめなくなっていたというのも十分理解できます。

レンジャーズ時代の率直な気持ちや、チームメイトとの関係がうまくいっていないときもあったという発言など、興味深い内容の記事でした。