NLCS第3戦でも7回途中1失点の好投で、チームに勝利をもたらしたドジャースのダルビッシュ有。

今季レンジャーズでは22試合に先発し、6勝9敗、防御率4.01というダルビッシュとしては物足りない成績でした。一方、ドジャースでは特にここ5試合素晴らしいピッチングで、29年ぶりのワールドチャンピオンを狙うドジャースに大きく貢献しています。


このことから、レンジャーズの投手コーチたちの仕事ぶりを疑問視する声も上がっているようです。

これに対し、ダルビッシュは誤解を解くため、レンジャーズの地元テキサスのダラス・モーニング・ニュース宛に自発的にメールを送りました。

Yu Darvish: Stop criticizing Rangers pitching coaches」の記事から内容を紹介します。この記事は今日の試合前のものです。

1508272605-NS_28RangersOrioles17

***

ドジャースがダルビッシュの投球スタイルをモデルチェンジさせたという話が伝わって以降、SNS上には、レンジャーズの投手コーチたちはダルビッシュのパフォーマンスを引き出すことができなかったのではないか、という声が上がっている。

ダルビッシュは誤解を正す必要があると感じ、ダラス・モーニング・ニュースに長い自発的なメールを送った。その中でダルビッシュは、レンジャーズ投手コーチのダグ・ブロケイルや最近解雇されたブルペンコーチのブラッド・ホルマンは”素晴らしいコーチ”で”素晴らしい人間”だったと言っている。

彼は、自身のパフォーマンスに関することで2人が非難されるのは不当だと話している。

「ここ4試合好投が続いているけれど、ドジャースに来てからいい投球ができないこともあった。最近いい投球ができている理由を考えている。でもその前にこれだけは言いたい。ダグ・ブロケイルやブラッド・ホルマンは非難されるべきではない。彼らは間違いなく素晴らしいコーチだったし、人間的にも素晴らしかった。自分は嘘をつくような人間じゃないので、どうか信じてほしい」

さらに、「アメリカに来てから、”もっと速球を投げろ”とか”もっとリズムよく投げろ”と言われてきた。これが正しい指導だというのは否定しない。それは正しいし、多くの選手にとっていい指導だ。でも、これも言っておくべきだと思う。自分の自己ベストの年は2013年で、そのときは速球の比率が一番低かったはずだ」とも言っている。
(※Fangraphsによると、2013年は速球が38.2%で、5年間で圧倒的に一番少なくなっています。キャリア通算は48.5%)

「ドジャースは球種の選択について話をしてきた。でも、今自分がやっているのはそれとはちょっと違う。自分の助けになった一番の違いは、ドジャースは話を持ち掛けてきて、あとは自分の投げたいように投げさせてくれることだと思う。これがドジャースがあれだけたくさんの試合に勝てる理由に関係しているかもしれない。そういうぜいたくがドジャースにはできる。でも、指導方法や哲学に大きな違いがあってドジャースが自分をよりよいピッチャーにしてくれた、ということはない」

ドジャースに移って以降のダルビッシュから、レンジャーズが学ぶことができるかもしれないのは、データを選手に提示する方法だ。ドジャースはメジャーで最もデータに精通している球団で、そのデータを選手が理解できる形に要約する点において、素晴らしい成果を上げてきた。

レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは「データそのものよりも、データの提示に、より大きな違いがあるのかもしれない」と話した。

***

レンジャーズ時代のコーチについてだけでなく、今ダルビッシュが考えていることが書かれてあって、とても興味深い記事でした。