先発陣に故障が相次いでいるマリナーズが、カージナルスからベテラン右腕マイク・リークと1700万ドルの金銭、インターナショナル・ボーナス・プール(7万5000ドル)を獲得しました。

カージナルスへはマイナー選手、レイダー・アスカニオ(SS)が移籍します。


現在29歳のリークは5年8000万ドルの契約の2年目。来季以降、3年で5300万ドルの契約が残りますが、カージナルスが1700万ドルを負担するため実質3年3600万ドル。

今季26試合に先発し、7勝12敗、防御率4.21、WHIP1.32、奪三振率6.0、与四球率2.0という成績。コントロールの良さと故障が少ないことが売り。シーズン序盤は好調も、中盤以降は打ち込まれる試合が多く、現時点ではこれまでのキャリア通りの成績という感じ。

全球団へのトレード拒否権を持っていましたが行使せず、トレード成立となりました。

アスカニオはベネズエラ出身で現在21歳。今季は主にA、A+で111試合に出場し、.217/.295/.355、9本塁打、12盗塁(失敗9)という成績。マリナーズのプロスペクトランキングには入っておらず、守備には定評があるものの打撃は成長が必要という評価。

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マリナーズはここにきて5連敗中で、ワイルドカード圏内まで4ゲーム差とポストシーズン進出へはぎりぎりの位置にいます。

パクストン、ヘルナンデス、スマイリー、岩隈などの故障により先発投手陣がかなり苦しい状態で、先発防御率4.86はメジャー23位。リークは経験豊富で故障に強く、安定して試合を作ることが期待されます。

2020年までの3年間で3600万ドルの契約は、FA市場の相場としても妥当な金額でしょう。心配なのは初めてのアメリカン・リーグに適応できるかという点です。その点をクリアすれば、来年以降もイニングイーターとしてチームに貢献できると思います。


カージナルスとしては、イニングイーターとしては悪くないものの伸び代はなく、契約もそれなりに高額なリークを、多少の金銭は負担しても引き取ってもらったほうが来年以降につながるという判断でしょう。

地区首位カブスまで6ゲーム差、ワイルドカード圏内まで5.5ゲームというところでポストシーズン進出は半分諦めた形です。

しかし、ルーキーのルーク・ウィーバーが頭角を現し始めていますし、リークのトレードに伴いトッププロスペクトのジャック・フラハティも3Aから昇格する予定です。ここ最近不調だったリークに代わり、フラハティがチームに勢いを与えることができれば、ポストシーズン進出の可能性も残されていると思います。