現地19日のメジャーリーグの各試合で、一部の審判が白のリストバンドを着用し”エスカレートする言葉の攻撃”に抗議の意を表明しました。

確認したところ、複数の試合で白のリストバンドを着用する審判が見受けられました。


抗議の大きなきっかけとなったのは、先日のイアン・キンズラーの発言。審判のエンジェル・ヘルナンデスに対し、「他の仕事を探したほうがいい」などと激しく批判しました。

[関連記事] キンズラーブチ切れ、ハミルトン4年連続50盗塁、ジャッジ32試合連続三振など今日のトピックス

キンズラーに対しMLBは罰金の処分を下しましたが、審判の組合は処分が軽すぎるとして抗議するに至りました。

World Umpires Associationがツイッターに公開した抗議文はこちら。

抗議文では「選手自身ですら出場停止処分が下されると思っていたが、罰金で済まされた」「甘い処分は間違ったメッセージを与える」「MLBの審判は高い水準で職務を遂行してきた。審判が仕事をしているだけで不当な攻撃にさらされているとき、コミッショナーは審判を守らなければならない」と主張しています。

***

さて、その白のリストバンドを着用した審判ジョー・ウエストが主審を務めた、カブスとブルージェイズの試合での1コマがこれ。

ストライクの判定に不服な態度を示したジョン・ジェイをじーっと睨みつけています。

これに対し、ツイッター上では「彼はひどい審判だ。選手と敵対するためにそこにいるわけではないのに、彼やエンジェル・ヘルナンデスや一部の審判は間違いなくそうしている」とか「そのうちロボットに取って代わられる役目だ」と批判的なコメントも上がっています。

***

今回の抗議はほとんどのファンからは受け入れられていないように見えます。

実際に試合を見ていると不正確な判定にフラストレーションが溜まることも多いですし、傲慢な態度で選手や監督に接する審判もちらほら見かけます。それを考えると審判に同情的なファンは少なくてもしょうがないかなと思います。

しかし同時に、正確な判定を下すのはおそらく想像以上に難しいことですし、毎日のように文句を言われ続けると反射的に選手や監督に敵対的な態度を取ってしまうことも理解はできます。

***

数日前の試合で、カージナルスのマイク・マシーニー監督は審判に対するフラストレーションを爆発させ、「試合は審判のためのショーじゃないぞ!だれもおまえなんか見に来てないんだ!」と発言しました。



今回のように組合として抗議の意を表明するのは別にかまわないと思いますが、審判としての技術向上を図り、選手、監督、ファンから不満の出ないジャッジを心がけてほしいものです。だれも審判を見るために試合を見ているわけではないのですから。