同地区のライバル、ツインズはハイメ・ガルシアを獲得しましたが、ロイヤルズは一気に3投手まとめてトレードで獲得し補強成功です。

パドレスから先発投手のトレバー・ケーヒル(RHP)、リリーフ投手のライアン・バクター(LHP)、ブランドン・マウアー(RHP)を獲得しました。


見返りとして、トラビス・ウッド(LHP)、マット・ストラム(LHP)、マイナー選手のエステウリー・ルイーズ(2B)を放出。ウッドの今季と来季の年俸はロイヤルズが負担します。


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ケーヒルは今季11試合に先発し、4勝3敗、防御率3.69、WHIP1.34、奪三振率10.6、与四球率3.5、ゴロ率56.8%の成績。

昨年はカブスでリリーフとして起用され好成績を残しましたが、今季はパドレスとFAで契約し先発に再挑戦。これが見事に成功し、三振の取れる先発投手として復活。肩の故障で2ヶ月弱DL入りしていた点が不安材料ではあります。

バクターは現在30歳で、昨年遅咲きのルーキーとしてブレーク。今季42試合で防御率3.05、WHIP1.20、奪三振率11.0、与四球率4.2の成績。投球の大半が速球。2021年まで保有可能。

マウアーはクローザーとして起用され、42試合で20セーブを挙げていますが、防御率は5.72。WHIP1.20、奪三振率8.7、与四球率1.8と内容は防御率ほど悪くはありません。2019年まで保有可能。


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ウッドは、FAでロイヤルズと2年1200万ドルの契約を結びましたが、28試合で防御率6.91と期待に応えられず。来季の年俸も含めてロイヤルズが負担し、パドレスで再起を図ります。

ストラムは昨年メジャーデビューした25歳。膝の手術で、今シーズン全休が決まっています。評価の高いトップ・プロスペクトで、昨年はリリーフとして起用されましたが、来年パドレスでは先発起用の可能性もあります。

ルイーズは右投げ右打ち、まだ18歳の内野手。メジャーには遠いため予想は困難ですが、今季はルーキーリーグの21試合で、打率.419、OPS1.219と才能の片鱗を見せています。


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今回のトレードは双方のチームが納得できるものではないでしょうか。

ロイヤルズは現在6連勝で、地区首位のインディアンスまで1.5ゲーム差に迫っています。

先発は予想以上の活躍を見せているジェイソン・バルガスとダニー・ダフィーは信頼できますが、3人目以降は不安が残ります。ブルペン防御率はリーグ5位と悪くありませんが、先発と合わせて補強できたことで安定感が増すでしょう。

今シーズン限りで、ロレンゾ・ケイン、エリック・ホズマー、マイク・ムスタカス、アルシデス・エスコバーがFAになります。開幕から負けが込み、売り手に回るかと思われた時期もありましたが、2015年にワールドチャンピオンを勝ち取ったメンバーでもう一度挑戦する姿勢を明確にしたトレードとなりました。

パドレスとしても、保有権の長いバクターは惜しいですが、1年契約のケーヒルを使って、ストラム、ルイーズというブレークする可能性のある選手を2人取れたので満足ではないかと思います。